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【U20世界選手権】日本、金メダルならず。カナダに力で押し切られる


 

タフなカナダの攻撃に粘り強いタックルで対抗した日本代表。DB1東田隆太郎(関学大3年)

カナダ・アルバータ州エドモントンで開催されているIFAFアンダー20(U20)世界選手権は6月30日、最終日を迎えた。

決勝のU20日本代表とカナダ1(以下カナダ)の試合は、9対20でカナダが勝利。日本代表は優勝にあと一歩及ばず。カナダはU19世界選手権時代から通算で3大会連続4回目の優勝を遂げた。

コイントスに勝って後半の選択権を選んだ日本代表は粘りに粘った。試合開始のキックオフをいきなり日本陣44ヤードまで戻されたが、DB中勇大(関学高卒)のパスカットでパントに追い込んだ。

日本代表はQB菊地慶(法政大2年)を先発起用。自陣11ヤードからTE太田明宏(東京大3年)、RB蓑部雄望(立命館大2年)、TE矢作一颯(法政大)へのパスを決めて50ヤードまで前進。さらに敵陣41ヤード地点での第3ダウン1ヤードをRB漆原大晟(立命館大1年)のランで突破。さらにオプションピッチを受けた蓑部が敵陣33ヤードまで進んだ。

このシリーズはパントとなったが、中の蹴ったボールをWR高橋耀生(サンディエゴ大2年)がゴール前1ヤードで押さえてカナダにゴールライン間際からの攻撃を強いることに成功。直後のカナダの攻撃を3ダウン&アウトに追い込み、日本代表はカナダ陣42ヤードからの攻撃機会を獲得。RB蓑部のランなどで敵陣27ヤードまで進んだところで第1Q8分38秒、K中の44ヤードFGを決めて先制した。

先制FGを決めたK16中勇大(関学高卒)。DB、Pとしても活躍した

日本守備はDL中山功乙(近畿大2年)のロスタックルで再びカナダをパントに追い込む。しかし、自陣39ヤードからの攻撃機会にインターセプトを喫し、カナダに日本陣39ヤードの攻撃起点を献上してしまう。これを第2Q開始5秒で逆転TDに結び付けられてしまった。

日本はランとWR百田真梧(関学大2年)へのパス、菊地のスクランブルなどで前進。敵陣まで攻め込んだが得点を挙げることができず。しかし、中のパントは再びカナダをゴール前3ヤードに押し込めた。日本代表守備はシリーズ更新を許したもののパントに追い込んだ。前半終了間際のカナダの攻撃はDB酒井麻陽(関学大3年)のインターセプトで断ち切り、前半は3対7の拮抗が保たれていた。

第3Qに入るとカナダはランを中心に展開。日本代表守備は粘り強いタックルを繰り返すが、第3Q7分26秒に35ヤードFGを決められて3対10とリードを広げられた。

日本代表の攻撃はQB菊地が負傷退場。代わって登場したQB小林伸光(日本大2年)のパスで反撃を試みるが、インターセプトを喫してしまい、なかなかチャンスをものにできない状況が続く。守備は、第3Q終盤にDB東田隆太郎(関学大3年)のブリッツによるロスタックルでフィールドポジションを作ろうとしたが、カナダに好パントを蹴られてなかなか好機を作りだせず。カナダの執拗なラン攻撃に粘って対抗し続けたが、第4Q8分2秒に23ヤードFGを決められて3対13と2ポゼッション差になった。

残り時間を考えると、リスクを背負うしかなくなった日本代表は、自陣20ヤードからの攻撃で4度パスを失敗。カナダはその直後にTDランを決め3対20とした。

しかし、日本代表は最後まで勝利を諦めなかった。残り時間は3分16秒。自陣20ヤードからQB小林がWR高橋、リンスコット・トバヤス(関学大2年)、岩﨑充希(日本大2年)へとパスを決めて得点圏に進行。終了1分14秒前に小林から高橋への9ヤードTDパスを決めた(トライキック失敗)。しかし、一縷の望みを懸けたオンサイドキックをカナダに押さえられ、勝敗が決した。

ゲームMVPは6.5タックル1QBサックで日本守備の粘りを支えたDB東田が受賞した。

 

終了間際に9ヤードTDレシーブを決めたWR22高橋耀生(サンディエゴ大2年)

ゲームMVPを受賞したDB1東田

U20世界選手権はこのゲームをもって全日程を終了。最終順位は以下の通り。

1位 カナダ1
2位 日本
3位 オーストリア
4位 米国
5位 カナダ2
6位 オーストラリア
7位 パナマ
8位 ブラジル

■試合後コメント

大橋誠監督
選手もコーチも本当によく頑張ってくれたが、詰め切れないところをきっちり詰めていかないと、こういう大会では勝ち切れないということがよく分かった。(QB菊地を先発させたのは)大きいプレーを狙うより、小さいプレーをしっかりつないでいくということでいうと、菊地の方が向いているのではということだった。久しぶりの国際大会で、選手たちは初めてという中でよくアジャストしてくれ、特に渡航後の成長度合いが素晴らしかったので、今後に向けて有意義な大会になったと思う。

ゲームMVP 東田隆太郎
ただ単に悔しい。守備は抑えたところもあったが、(相手のランプレーは)分かっていても止められなかった。自分よりフィジカルが強い相手と戦うことができたので、この1対1の強さを(自分の)チームにも共有し、次は(関西学院大学)ファイターズで日本一を目指せるようにやっていきたい。