【第5回 SWC】日本代表がアメリカ代表に完敗 銀メダル獲得で大会終了
現地時間7月18日(土)※日本時間19日(日)、アメリカ合衆国オハイオ州キャントンのトム・ベンソン・ホール・オブ・フェイム・スタジアムで開催されている『第5回 IFAF アメリカンフットボール 世界選手権アメリカ大会』が行われ、日本代表がアメリカ代表と対戦。攻守で2タッチダウンを奪うも、12対59で敗れました。この日で大会全日程が終了し、最終成績は1位アメリカ、2位日本、3位メキシコ、4位フランス、5位オーストラリア、6位韓国、7位ブラジルとなりました。
なお、この試合のゲームMVPには、パス22回中12回成功で141ヤード、1タッチダウン、1インターセプトを記録したQB加藤 翔平(LIXILディアーズ)が選出されました。QB加藤は、12日に行われたアメリカ戦に続き2度目の受賞となります。
また、オールトーナメントが発表され、日本代表からはファーストチームにWR栗原 嵩(IBMビッグブルー)、OL勝山 晃(富士通フロンティアーズ)、DB砂川 敬三郎(オービックシーガルズ)の3人が、セカンドチームにはQB加藤 翔平(LIXILディアーズ)、RB高木 稜(IBMビッグブルー)、WR前田 直輝(LIXILディアーズ)、TE春田 崇博(富士通フロンティアーズ)、OL小林 祐太郎(富士通フロンティアーズ)、K佐伯 眞太郎(パナソニックインパルス)、LB天谷 謙介(LIXILディアーズ)の7人が選ばれました。
日本がコイントスに勝って、レシーブを選択してスタートしたこの日の試合。日本は自陣20ヤードからのファーストドライブで、QB加藤 翔平(LIXILディアーズ)がパスを3連続で成功させファーストダウン更新。さらにRB高木 稜(IBMビッグブルー)の11ヤードラン、QB加藤からWR前田直輝(LIXILディアーズ)への14ヤードパスも決まり、敵陣38ヤードまで攻め込む。しかし、RB古谷 拓也(オービックシーガルズ)のランが2ヤードロスした後のセカンドダウン12ヤードで、QB加藤のパスがインターセプトされ、そのまま70ヤードのインターセプトリターンタッチダウンを許してしまう。2点コンバージョンも決められ、日本はいきなり8点のビハインドを背負う。
その後のドライブはスリーアンドアウトに抑えられるが、その直後の守備ではゴール前1ヤードまで攻められるも、相手のフォースダウンギャンブルを阻止。追加点を許さない。日本は次の攻撃もスリーアンドアウトに終わると、アメリカのランを軸とした攻撃を止められず再び失点して、0対16とされてしまった。
日本は第2Qに入っても、残り7分47秒にタッチダウンを許し、0対24とリードを広げられた。さらに、第2Qから変わったQB高田 鉄男(パナソニックインパルス)が自陣46ヤード、サードダウン1ヤードのプレーでサックされファンブル。これをリカバーされると、そのままエンドゾーンまで持ち込まれ、0対31とされてしまった。
得点を奪いたい日本は、再びQB加藤がフィールドへ。QB加藤は自陣38ヤード、サードダウン1ヤードの場面で、WR栗原 嵩(IBMビッグブルー)へパス。WR栗原は、このボールに飛び込みスーパーキャッチを披露する。このキャッチで勢いに乗った日本は前半残り2分56秒、QB加藤がWR宜本 潤平(富士通フロンティアーズ)へ25ヤードタッチダウンパスをヒット。しかし、ツーポイントを狙うが失敗に終わった。ようやく得点を返した日本だったが、前半終了間際にも失点。6対38で前半を折り返す。
32点を追う日本は第3Q残り7分29秒、敵陣2ヤードからの相手攻撃で、アメリカのQBをサックしてファンブル誘発。これをDL冨田 祥太(オービックシーガルズ)がエンドゾーン内でリカバーしてタッチダウンとなった。その後の2点コンバージョンは再び失敗に終わり、得点は38対12。しかし、日本はその直後の相手ドライブでタッチダウンを奪われ、12対45と点差が開いた。
第4Qに入っても日本は、思うようにボールを進められず。逆にQB高田のファンブルロスからタッチダウンを決められるなど、2つのタッチダウンで加点された。日本はパス獲得ヤード(225ヤード)で相手(208ヤード)を上回るも、計5サックを許した。守備では、ラン攻撃で205ヤードを許しアメリカの地上戦を自由にさせてしまった。
日本はアメリカに敗れ、第2回ドイツ大会以来12年ぶり3度目の金メダルに手が届かなかった。日本の銀メダルは、第3回川崎大会以来8年ぶり2度目。
■以下はヘッドコーチと選手のコメント
日本代表 森 清之監督(LIXILディアーズ)
完敗です。これが今の力だと思います。もう少しやれることはあったかもしれませんが、勝てるチャンスはあったかと言うと、そうでもない。今のままで同じ土俵で勝負するのは難しいかもしれない。今回感じたのは、バックフィールドのフィジカルの差です。ラインはほぼ思っていた通りに戦えたけど、それ以外のポジションで思うように戦えなかった。ランニングバック対ラインバッカーであったり、ランニングバック対ディフェンスバックのように、タックルの強さやフィジカルの強さでこれだけ差があると、試合を作るのは難しいです。今のレベルで、通用する部分が一つ二つあっても、勝機を見出すのは厳しいです。
日本代表 WR木下 典明(オービックシーガルズ)
レベルの差があると感じました。勝負所でミスもあったのですが、オフェンスでこれだけ点を取られたのは話にならないです。
日本代表 QB加藤 翔平(LIXILディアーズ)
フィジカルでまだまだ差があると思います。(アメリカと)埋まっているポジションはあると思いますが、これだけ負傷者が出てしまうと、総力戦とはいいつつ厳しい戦いになってしまいます。そこがまだまだ日本に足りない部分だと思います。プレイの精度については準備したものに関しては通用したと思います。
(2度目のゲームMVPについて)QBが勝敗を握るポジションだと思っていますので、MVPに選ばれましたが、2試合とも勝てなかったのはQBの責任かと感じています。負けた試合のMVPというのは自分自身で意味を感じていない。
日本代表 WR栗原 嵩(IBMビッグブルー)
(12日の)初戦よりは攻めたプレイもできたので、個人的には良かったです。1対1では勝っていたので、勝負どころでプレイを通してくれたら変わっていたかもしれません。個々の能力だけでなく、チームとしても何かを変えないと、この差はとうてい埋まらないと思います。
(第2Qのダイビングキャッチについて)加藤が良いところに投げてくれました。
(オールトーナメント選出について)個人としては、国際舞台で活躍することは自分で決めていたことなので評価してもらったのは嬉しいですが、チームの勝利に貢献できていないので、今後頑張るところだと思います。
日本代表 WR宜本 潤平(富士通フロンティアーズ)
(アメリカに)対抗できない感じはしなかったです。このレベルなら勝てる相手なので、QBとレシーバーの精度、勝負どころの精度を上げていく必要があると思います。
日本代表 DB砂川 敬三郎(オービックシーガルズ)
(アメリカは)スピードは日本人にないものを持っているので、日本でもそのレベルをイメージして日々精進するだけです。
(オールトーナメント選出について)初戦のフィールドゴールブロックだけで、自分の中では今大会で何もできていない。その悔しさを晴らすために、自分のチームに戻って見つめ直して、次に向けてしっかりやっていきたいと思います。
日本代表 OL勝山 晃(富士通フロンティアーズ)
OLとしては負けていない部分もあったと思うのですが、それがオフェンスに生きなかったというのはチーム力の差で足りない部分があったと思います。どのポジションが勝っているからといって試合に勝てるわけではないので、チームとしてもっとまとまってプレイの精度を上げていれば、アメリカに勝てていたかもしれないです。
(オールトーナメント選出について)全然選ばれると思っていなかったのですけど、個人的に他国に対してやれている部分もあって自信も持てていました。(オールトーナメント受賞は)今後の励みにしていきたいです。
日本代表 DL冨田 祥太(オービックシーガルズ)
(タッチダウンについて)個人的に初めてのタッチダウンだったので記念に残ったのですが、悔しい結果だったので4年後の糧にしたいです。