アメリカ戦は「日本人のフットボールをやりたい」
現地11日、U19日本代表は、引き分けに終わったメキシコ戦から一夜明けたこの日、午後16時30分からミーティング、19時から屋外で練習を行いました。
前日のメキシコ戦は、試合残り49秒で同点に追いつかれてしまい、勝利がするりと逃げてしまった。しかし、山嵜隆夫監督は、メキシコ戦の結果を気にせず、アメリカ戦だけを見据えている。
「誰もが心の中でもやもやしたわだかまりがあった。アメリカ戦に切り替えて集中してほしい」。
日本と同じBグループに属するアメリカは、ここまで2連勝。圧倒的な強さで、メキシコ、ドイツを下してきた。そんなフットボール大国相手に、山嵜監督はしっかりと対策を練っている。
「オフェンスは色々なプレイを考えた。普通の試合ではちょっと怖くてできないけど、失うものが何もないから、思い切って(パワーフットボールではない)日本人のフットボールをやってみたい。ディフェンスも面白いことを考えている。玉砕する覚悟でいく」。
山嵜監督が目指すフットボールは、パワーフットボール。しかし、アメリカに勝つためには、「本来はまともに勝負したい」と前置きしながら、「スペシャルプレイも色々考えている。まともに真ん中からいったら太刀打ちできないから、いかにボールを動かして相手の動きを逆に利用したい。今できるベストのプレイを選択して結果を出したい」とどん欲に勝利だけを目指す。
山嵜監督は夜の練習のハドルで、「目標は世界一。目的は、心身を鍛えること。色々なことを学んで立派なフットボール選手になってもらって、将来はフル代表の中心になって戦ってもらいたい。あるいは日本に帰ってから、それぞれのチーム、日本のフットボール界をレベルアップしてほしい」と、今大会の目標と目的について話した。
スポーツをする上で勝利も大事だが、それと同時に人間形成も必要。山嵜監督は、この大会を通じて、両者の重要性を選手たちに教え込んでいる。運命のアメリカ戦まであと2日。山嵜ジャパンが歴史を塗り替えるために、最後の仕上げに入っている。