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【TWG5位決定戦】日本3INT奪取で伊を完封=NFLとIFAFがロス五輪正式採用を目指す声明発表=


米国アラバマ州バーミンガムで開催中のザ・ワールド・ゲームズ2022。フラッグフットボールは現地7月13日にセミファイナルと5〜8位順位決定戦が行われた。女子日本代表はイタリアとの5位決定戦に臨み、19対0の完封勝利で5位を獲得。昨年12月のIFAF世界選手権では6位だったが、順位を一つ上げる結果を残した。

前日まで3日で5試合、その内3試合は炎天下での試合だったため、選手たちのコンディションは決して万全といえる状況ではなかった。しかも相手はブロック戦で苦戦をしいられたイタリア。ランクは下とはいえ決して気が抜ける相手ではなかった。

特にDBは出場可能なメンバーが辰野汐里のみという状態だった。そこで、エースQB磐田千紘をWRとDBで起用し、QBは調子を上げてきた目黒七星を先発起用した。また、予選時には交代出場だったLB佐伯涼香をラッシャーとしてフル起用した。

立ち上がりから両チーム共に守備が奮闘し0対0のまま。佐伯のプレッシャーは再三イタリアのパスの精度を狂わせた。そして、前半残り2分を切って日本陣に攻め入られたピンチをDB辰野がインターセプトでしのいで、残り1分22秒で攻撃権を獲得。QB目黒はC佐藤由樹、WR三宅萌、WR磐田千紘にパスを決めて前進。イタリアの反則も手伝ってシリーズを更新すると、佐藤へのコーナーへのパスでTD(トライ失敗)。6対0とリードしての折返しに成功した。

後半はLB近江佑璃夏が正確なフラッグ・プルでイタリアのシリーズ更新を阻止。攻撃はC加藤純奈の2連続パス捕球でシリーズを更新。WR近江へのパスで前進すると、WR中畑友里がエンドゾーン右手前隅に投げられたパスを好捕球してTD。近江へのパスによるトライも決まって13対0とリードを広げた。

直後のイタリアの攻撃にはシリーズ更新を許したものの、LB近江がインターセプトで得点を阻止。ミッドフィールドからの攻撃起点を獲得すると、中畑、磐田へのパスで前進し、佐藤へのプレーアクションパスでTD(トライ失敗)。直後のイタリアの攻撃をDB磐田がインターセプトして試合を決めた。

昨年12月のIFAF世界選手権の6位から順位を一つ上げての5位。しかも、予選で苦戦した相手に対して、元々控えだったメンバーが大活躍して完勝した価値のあるステップアップだった。

同日、TWGを視察に訪れていたNFLフットボールオペレーション担当のトロイ・ビンセント上級副社長とIFAFのピエール・トロシェ会長は、2028年ロサンゼルス五輪でのフラッグフットボールの採用を共同で目指していく共同声明『Vision 28』を発表。ビンセント氏はNFL選手の米国代表参加も示唆した。

■試合後コメント

WR/LB7近江佑璃夏
DBに負傷者が多かったため、今日はLBを3人、CBを2人にしてSFを置かない布陣で臨みました。イタリアには一度勝利した相手だったので、勝たなければいけないという気持ちで臨みました。最初の対戦でも苦戦はしましたが、私個人としては最初に対戦した時にもっとできるという感触を持っていました。前半はなかなか得点をとれませんでしたが、QB目黒は普段からとても落ち着いているので焦りはありませんでした。(インターセプトは)今大会一回もできておらず、それまでに惜しい場面を逃したところもあって、今日は絶対にしたいと思ってずっと狙っていました。最後の試合でできてよかったです。目標のメダルに届かなかったことは悔しいです。オーストリアとは1TD差で、大きな差は感じませんでした。しかし、メキシコと対戦した時には結構な差を感じました。昨年の世界選手権で対戦した米国も含めて、そのレベルを目指していかなければならないと思っています。2028年のロサンゼルス五輪での競技が採用されるかが話題になっていますが、それまでにメダルをとれるようなチームにしたいです。今回は、男子代表の方々が日本で相手の映像を分析してくれたり、多くの方々にサポートしていただきました。支えてくれた方々の思いに応えたいと思っています。