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【World Games 2022】自由に思い切り挑戦します
フラッグ女子日本代表QB磐田千紘


7月7日から15日に米国アラバマ州バーミンガムで開催されるザ・ワールドゲームズ(TWG)2022に参加するフラッグフットボール女子日本代表。エースQBを務めるのは大学1年生の磐田千紘だ。チームメイトから『意識や取り組みが別格』と、一目置かれ、「すごいQBがいると聞いています」と、磐田がフラッグフットボールを始めた時に在籍していたジュニアユニコーンズの大先輩でもある富士通フロンティアーズQB高木翼のもその存在を知るほどの実力者だ。6月19、20日には米国ミシガン大学で行われたJunior Flag Football International Cup 2022(JFFIC)に女子U17日本選抜として参加。U17日本選抜を準優勝に導き、自身も最優秀選手賞を受賞した磐田に、フラッグフットボールとの出会いと面白さ、そしてTWGに懸ける意気込みを聞いた。

――フラッグフットボールはいつからプレーしていますか?

磐田 小学校1年生のからです。センターを少しだけ経験したこともありますが、ずっとQBをしてきました。

――始めたきっかけを教えて下さい。

磐田 3年上の兄が友達に誘われてフラッグフットボールを始めたことですね。私も自然に始めました。当初は男子と一緒にプレーしていました。小学5年生ぐらいの時にガールズチームができ、ガールズチームでプレーするようになりました。

――他のスポーツ経験は?

磐田 小学生の時には週に2日ほどバスケットボールをしていました。中学校の部活動はソフトボール部に所属し、高校ではラクロス部に所属していました。すべてフラッグフットボールと並行して練習していました。あとはヒップホップダンスを幼稚園の年中から中学1年の初めまで続けていました。

――ダンスの経験がQBに役立っていることはありますか?

磐田 QBとしてというよりも、教わった動きをすぐにできたり、頭を使いながらイメージ通りに体を動かせたりという運動全般に役立っているのかなと思います。

――なぜ長くフラッグフットボールを続けられていると思いますか?

磐田 フラッグフットボールを楽しくできる環境に恵まれていたからだと思います。男子と一緒のチームで競技していた頃はそこまでコミュニケーションを取れませんでしたが、女子チームができて話す機会も多くなり、週末が楽しみになりました。

――昨年12月の世界選手権イスラエル大会に参加が決まった時の心境を教えて下さい

磐田 あまり想像がつきませんでした。「外国に行って試合ができるんだ」という気持ちでした。1日4試合ほどありましたが、ナイターの試合は始めてだったので「大きな大会は大変なんだな」と思いました(笑)

――海外の選手と戦う感覚は日本人の選手と戦うときと異なりましたか?

磐田 QBはラッシャーをと対峙することが多いのですが、ラッシャーのサイズがかなり大きくて真ん中がほとんど見えませんでした。ターゲットは空いているのに普通に投げたらカットされてしまうので、ラッシャーが手を上げている下から横に投げてみてアジャストしていきました。

――TWGに向けて、どんなイメージを持って練習されていますか?

磐田 日本代表のメンバーで手分けをして、他国の代表チームのスカウティングをしてきました。イスラエル大会の動画を見て自分の頭の中でイメージを持つようにしています。海外代表チームを想像すると身長の高さやスピードが思い浮かびますが、イメージの中の選手に潰されてしまいそうに思えてきます。でも、試合をする前から気持ちで負けてしまうのは嫌なので、高身長でスピードのある選手に対しての攻めどころを、動画を見ながらイメージを作って、悪いイメージを払拭して試合に臨めるように準備しています。

――映像はどれくらいの頻見ていますか? 1日に見る時間を決めていたりしますか?

磐田 6月に開催されたJFFICのU17選抜の練習もあったので、両方を含めるとかなりの時間を割いていると思います。春から大学生活も始まり、課題に追われていたので、フラッグフットボールに割ける時間は日によってもだいぶ差がありましたが、フラッグフットボールのことは毎日頭に浮かんできます。

――プレーは自分で考えるのですか?

磐田 日本代表では作っていませんが、U17選抜や所属しているヒューペリオン東京では自分で考えたプレーを使うことがあります。「こういう守備が来たらどこが空くのかな」ということをたまに考えています。

――代表チームは年齢層が広いと思いますが、やりやすさややりにくさはありますか?

磐田 日本代表では先輩が多いので、その分助けてもらえる部分が多く、年下だからこそのやりやすさがあります。

――TWGではどんなプレーをしたいですか?

磐田 日頃練習で取り組んでいることを発揮することはもちろんのこと、試合の中で考えながら自由なプレーができればいいなと思っています。去年の世界選手権では自分でアレンジせずプレーブック頼りだったなという反省が残りました。今大会では思いついたことに躊躇せず挑戦して、チームの目標であるメダル奪取を目指します。私は今後もフラッグフットボールを続けたいと思っているので、今後の成長につながるものを得たいと考えています。挑戦的なプレーにも思い切ってチャレンジしていきたいと思っています。

TWG2022フラッグフットボール(大会公式サイト/英語)
https://twg2022.com/flag-football/